2019.11.05
ピザ雑学【冷凍ピザの意味が変わる?】世界を驚かせる『プロトン凍結』とは?
日本の冷凍技術は、世界トップレベルと言われています。10年ほど前は冷凍食品と聞くと、味気ない・パサパサしているなど、低評価の口コミが多かったものの、ここ最近の冷凍技術は大きく進化。
現在では、作り立て・焼き立ての美味しさを味わえる、ハイクオリティの冷凍ピザやケーキが登場しています。そんな中、さらに進化のスピードを速めているのが、『プロトン凍結』と呼ばれるテクノロジー。
一体どんな意味をもつ冷凍方法なのか、最先端の現場を取材してみました。
【最新版】冷凍ピザ通販ランキング!おすすめお取り寄せピザ屋ベスト3
本日のメニュー
冷凍ピザの意味がガラリと変わる、最新科学
「世界をあっと言わせる、冷凍ピザや冷凍マグロが作れないだろうか」
そんな思いから始まったのが、プロトン凍結と呼ばれる製法です。
これまでの冷凍と言えば、マイナス40度くらいの低温で、一気に冷やすというのが通説だったもの。
急激に温度を下げることによって、霜を付きにくくし、食材の劣化を防ぐという意味合いがありました。
これに対して、話題のプロトン製法とは、電磁波と磁石のパワーを上手く組み合わせた、まったく新しい意味を持つ冷凍技術のこと。
細胞が壊れるのを防ぎながら、美味しさを内側に閉じ込めていけるので、解凍したときに出来立てと変わらない美味しさが楽しめます。
ミクロレベルの氷の粒
この技術がすごいのは、氷の核に注目したということ。
通常ピザやマグロが凍っていくときの氷核は、1粒1粒がかなり大きい物であるのに対して、プロトン凍結を用いた氷の核は、1粒1粒が雪の結晶みたいにとても小さくなります。
小さな氷の結晶が幾つもできるということは、それだけ粗さの消えた滑らかな食感の冷凍食品が作れるということ。
解凍したときに旨みが外に逃げないので、作り立てと変わらない美味しい冷凍ピザに出会えます。
冷凍ピザではなく、市販のピザや手作りピザは冷凍ができるのか?
開発したのは、奈良県のエンジニア集団
冷凍ピザやマグロの意味を大きく変えた、プロトン凍結。新しすぎるこちらの技術を開発したのは、奈良県にある菱豊フリーズシステムという会社です。
1999年に創立した比較的新しい会社で、スタッフの数はおよそ20人弱。少数精鋭型のエンジニア企業で、冷凍や解凍に用いられる新しいマシーンを、次々に世に送り出しています。
企業理念は「梁山泊・りょうざんぱく」という、やや難しい故事成語。梁山泊は中国の書物に記載された言葉で、野心家や意欲の高い人が集まるスポットという意味合いがあります。
現状に満足せずに「イイものを作ろう」と願う気持ちが、世界をあっと言わせる新技術を、生み出したのかもしれません。
寿司やおせちに応用も
プロトン凍結の技術は、冷凍ピザや牛肉・しらすなど、色々な分野で導入が進んでいます。中でも業界人をビックリさせたのが、手まり寿司やおせちなどの和食分野。
それまでは白米を冷凍させると、旨味が消えパサつきが気になっていたものの、プロトン凍結を使うことによって、悩みは一挙に解消。自然解凍するだけで数分後には、握りたて・作り立ての美味しい寿司やおせちが楽しめるようになったのです。
冷蔵するよりも美味しく、出来立ての新鮮な味わいを長期間引き伸ばせるプロトン凍結。冷凍すると旨味が落ちるという料理人の常識を大きく変える、新しい意味をもつ冷凍技術に進化しています。
ホントに良いこと尽くめ?今後の課題とは?
メリットばかりのプロトン凍結ですが、気になる課題も。
一般の消費者の方への知名度が、いまひとつ伸びないということと、冷凍にかかるコストが、通常冷凍に比べて高いという問題点があります。
従来の急速冷凍の技術も、日進月歩の勢いで進化しているので、総合的に考えると、「これまで通りの冷凍技術の方が早くて安い」という気になるポイントもあります。
追いつけ追い越せの様相で、日々新しい記録が塗り替えられている冷凍食品ワールド。10年後・20年後の未来には、今まで考えられなかったような、新しい意味をもった冷凍ピザが、誕生しているかもしれません。
どんな冷凍や解凍技術がお目見えするのか、今から楽しみです。
まとめ
☆冷凍ピザの意味が変わる、新しい発見をお伝えしました。
冷凍庫からさっと出してスグ美味しいのが、薪窯ナポリピザ・フォンターナの冷凍ピザ。ふんわりサクサクの新食感を、あなたのキッチンでお楽しみください。
コメントは受け付けていません。