2017.08.19

ピザ雑学

ピザを簡単に焼いてしまう、スピード焼きピザ職人の焼き方について

石窯工房

ピザ発祥の地・イタリアを訪れたとき、一度はチェックしておきたいのがピッツァイオーロ(ピザ職人)の手仕事。
オーダーが入ると木製のピザパドルを縦横無尽に操り、いとも簡単に1度に大量のピザを焼きあげます。
家庭用オーブンではなかなか真似できない、ピッツァイオーロ伝統のワザをご紹介します。

1日では習得できない、ピッツァイオーロ「匠のワザ」

イタリアンシェフを志す人なら、一度は耳にしたことがあるキーワードが「ピッツァイオーロ」。
イタリア語でピザ職人を意味する、輝かしき職業のひとつです。
ピッツァイオーロになりたいと熱望したとき、幾つかの方法があります。
ひとつは有名なイタリアンピザのお店で見習いしながら師匠のワザを盗む方法・もうひとつは料理の専門学校でカリキュラムを学び、講師からイタリアンピザの知識をならう方法です。
自分のセンスを信じ、独学でピザの焼き方を学ぶやり方もあります。

\今週のお試し100円ピザはどれかな?/

どのプロセスを歩んだにせよ、ピザ職人になるための究極の試練が「ピザの焼き方」です。
一度に複数のオーダーが入るピッツェリアの現場では、マイペースにピザを薪窯に入れていては埒があきません。
お腹を空かせたお客さまのリクエストにいち早く応え、薪窯に複数のピザをスピーディに入れられるようになったら、初めて「一人前のピザ職人」としてらく印を押されます。

必須アイテムはスムーズに窯入れできる「ピザパドル」

ピザ職人がハードな窯焼きを簡単にしてくれるキッチンツールとして、愛してやまないのがピザパドルです。
木製やアルミ製でできた細長い柄が付いたボードは、ピザパドルやピザヒールと呼ばれています。
最近では柄が短い家庭用のピザパドルも多く出回っていますが、ピザ職人が使用しているのは柄が大きく伸びた業務用のピザアイテム。
柄が長いピザパドルを使うと、大きな薪窯内へ簡単に複数のピザをセットすることができます。
400度近い高温の薪窯でも熱さを気にせず、自在に焼き加減の調整をおこなえます。
ラウンド型のピザ生地をそのままピザパドル上に載せられるため、繊細なトッピング具材を傷つけることなく、キレイな状態のまま炉外へ取り出せます。

スピード感が命、香りゆたかなナポリ風ピッツァ

ナポリ風ピザは400度近い薪窯に生地を入れ、わずか数分で焼き上げます。
趣味でピザを楽しむときは「1枚ずつ」ピザを焼いていても支障をきたさないのですが、大きなピザショップやイタリアンレストランに勤めていると、大切なお客さまの手まえ、そう悠長なことばかり言っていられません。
アツアツの薪窯に複数のピザを一度に入れ、短時間で焼き上げていきます。
一度に複数のピザを薪窯に入れてあげることで、たくさんのピザを簡単に仕上げられます。
とはいえ、2枚以上のピザを薪窯に入れ焼き上げるのは至難のワザ。
モタモタしているとピザ生地が固くなり表面に穴が開いたり、食べられないほど真っ黒に焦げてしまいます。
表面がしっかり焼けているように見えても、火の通りが悪い裏面が生焼けのこともあります。

炉内に入れたピザは、焼き上がりまで放置して良いわけではありません。
焼きムラを防ぐためにピザパドルで左右回転させたり、ピザ生地を少し上に持ち上げ裏面の焼き具合などを数回チェックします。
焼き加減が気になるからとピザパドルで何回もピザ生地をつついてしまうと、形崩れや生焼けを引き起こしてしまいます。
短い時間の中で「いかに最小限の回数で、ピザパドルを動かすか」が勝負の分かれ道。
ピザ職人の緊張が走る瞬間です。
上下左右すべてのバランスが取れたらOKのサイン、いよいよ炉外へ出しお客さまの元にお出しします。

ピザ職人の登竜門とも言われる、薪窯での焼き上げ。
一度に大量のピザをつくるためには、スピーディに薪窯に複数のピザを入れ、タイミング良く引き上げることが大切です。
炉内の温度は均一ではないため、上下左右まんべんなく火を通すためには、熟練したピザ職人の技量が求められます。
簡単な作業に思えますがピザの焼き方ひとつ取っても、きちんとマスターするためには「最低1年以上の月日が必要」といわれています。
薪窯ナポリピザ・フォンターナでは修行を積んだピザ職人が、丹精込めてピザを焼き上げています。
本場ナポリの豊潤な味わいを、次はあなたのキッチンでお試しください。

 

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