2017.07.08

ピザの具材

ピザ職人が語る!ピザで使われる薄力粉についてあれこれまとめ

小麦粉とバター

ご家庭で料理をする際、用途に合わせて小麦粉を「強力粉」「中力粉」「薄力粉」を使い分けているかと思います。
調理するものによっては強力粉と薄力粉を混ぜることもあるでしょう。

今回は小麦粉の中の薄力粉の特性や薄力粉を使った食品についてご紹介します。
特性を知り、今後の調理に活かせれば幸いです。

小麦粉について

まず小麦粉がなぜ三種類に分けられるのか、強力粉、中力粉、薄力粉の三種類へ分類する基準をご紹介します。
小麦には粒の硬い「硬質小麦」と粒が軟らかい「軟質小麦」という二つがあります。この二種類の違いは小麦の品種や育った気候、風土によって生まれます。

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この二つの違いは簡単に言ってしまえば、内部のたんぱく質の量です。
硬質小麦は軟質小麦よりたんぱく質が多く含まれています。
小麦粉に含まれているたんぱく質は、「グルテニン」と「グリアジン」という2種類で、これらは水と反応することで粘りと弾力のある物質「グルテン」をつくりだします。
このたんぱく質の多い小麦粉からはコシの強い生地が作ることが出来、グルテンの少ない小麦粉からは柔らかい生地が出来ます。

それら粘り強さと弾力を強弱で分けることによって、日本では「強力粉」「中力粉」「薄力粉」という種類に分けられることが出来ます。

『ピザの生地に使われる原料となる粉について詳しく解説します』

薄力粉について

日本で用いられる薄力粉は、水を加えて練った時に弾力が出ず、適度な柔らかさに仕上がります。
小麦粉の説明で用いたことですが、小麦粉の弾力は小麦粉の中に含まれているたんぱく質が、水と熱によってグルテンという物質になるからです。
しかし、薄力粉の中に含まれているたんぱく質は、6.5から8.5%と、他の小麦粉に比べて多く含まれていないのです。
そのためグルテンの量も少なく、性質も弱いので、薄力粉に水を加えて練っても強力粉や中力粉のような強い弾力が出ないのです。
そもそも、薄力粉に含まれるたんぱく質の量が少ないのは薄力粉を作るために使われている小麦粉が軟質小麦を使用しているからだそうです。
軟質小麦は、粒の内部が粗く詰まった状態であり、たんぱく質同士が結びつきにくいのだそうです。

薄力粉の粒はきめ細かく、柔らかい。
さわったらしっとりとした触感で、払っても少し手についてしまうほど粒子が細かいです。
手で握れば握った形に粉が固まりますが、これは軟性小麦の粒が柔らかいという性質が関係しており、力を加えたことによって、粒が一時的にまとまってしまうのです。
硬質小麦を同じように握っても、硬質小麦は粒が固いため、固まることなく、さらさらと手からこぼれます。

これまで紹介した薄力粉の特徴をまとめると、「水を加えて練っても弾力が出ない」「薄力粉の粒はきめ細かく、さわったらしっとりとした触感で手に残る」という性質があります。

薄力粉の特徴としてもう一つ、薄力粉には水分を多く吸うことができないという特徴があります。

水を含ませた時の粘りが弱いのは、この水分を多く吸う事が出来ない特徴があるためで、この特徴を利用し、家庭ではケーキなどの洋菓子を作る際に、もしくは天ぷらの衣などに薄力粉は使われます。
ホットケーキを作る際に薄力粉とベーキングパウダーをともに混ぜて使用することや、天ぷらの具材を表面だけ覆うように、適度な衣の量を具材に乗せられることが出来ればよいため、グルテンの性質が弱いという特徴を持つ薄力粉が、これらの料理を作るには好ましいのです。

もちろん、薄力粉でピザを作ることもできます。
薄力粉を多めに使用してピザの生地を作る場合、発酵した生地は延ばしやすく円にすることが簡単に扱えます。
強力粉を多めに使ったピザは、弾力が強くすぐに元に戻ろうとするためこうはいきません。
焼き具合もさっくりしたピザになっています。

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