2018.09.21
ピザの具材真っ赤なほっぺに恋しましょ、ピザソース向けトマトのブランド
江戸時代・徳川家綱のときにヨーロッパから伝わった、真っ赤なトマト。
かつては学者や大名など一部のお金持ちしか食べることができない、超レアな野菜だったそうです。
プチプチの食感がたのしいトマトは、ピザソースに加工するとさらに甘さと旨味が増します。
「ピザソースには、どんなトマトを使っているの?」
素朴な疑問を解明するために、小さな旅に出かけてみました。
ピザソースに使われる加熱用トマト、こんな性格
世界中で愛されているトマトには、サラダや丸かじりなど生食でおいしく食べられるもの・ピザソースやケチャップなど、加熱してさらに旨味が増すものの2種類があります。
加熱用トマトの特徴は、次のようなポイントがあります。
・実が細長い、スタイリッシュな形
・皮がピンと張っていて、ずっしり重みがある
・種の量が少なく、ソースにすると口当たり滑らか
トマトの水煮やピザソースなどに使われる加熱用のトマトは、水分や種の量が少なく長時間煮込んでも荷崩れしにくいタフな設計になっています。
試しによく切れる包丁でトマトを半分に切ってみると、生食用のトマトに比べて、透明なゼリーの部分がやや少ない印象。
種が少なく水分も控えめなため、水煮にしても旨味が減りません。
皮は薄いのですが全体がどっしりしているため、手にもってもフニャフニャになり過ぎず、いつまでも健やか。
煮る・グリル・ソテーするなどヘビーな環境におかれても、きちんとトマトならではの美味しさを発揮してくれる、もっとも機能的なベジタブルなのです。
知れば知るほど好きになる、調理用のトマトたち
▽サンマルツァーノ
・パスタやピザソースのド定番
イタリアンシェフなら知らない人はいない、伊生まれのサンマルツァーノ。
ナポリ近郊ではヴェスヴィオス火山の芳醇な火山灰をつかい、コクのある美味しいサンマルツァーノが大量に作られています。
日本のトマトと比べると実がほっそり尖っていて、まるでトウガラシのような形が個性的。
種がほとんどなく、加工したときの実がとても美しいメリットがあります。
熱を加えると独特の甘さ・酸っぱさが引き立ち、極潤のトマトソースに。
現地では湯むきしたサンマルツァーノにハーブと玉ねぎ・塩コショウでシンプルに調理した、即席ソースが親しまれています。
濃さのあるパンチの効いた味わいは、また食べたくなる美味しさです。
▽ローマ
・品種改良された、新イタリアントマト
イタリアントマトをさらに使いやすく品種改良したのが、ローマ。
サンマルツァーノと同じく水っぽさのない、こってりした味わいが特徴的です。
ピーマンや茄子のように、ぽってりしたやや丸みのあるデザイン。
ヘタの部分がやや大きく、野性的で元気な印象のトマトです。
病気になりにくく、皮の表面には美しいツヤと照りがあります。
火を加えると甘さがさく裂するため、ケチャップの原料やピューレの材料として用いられることも…。
レパートリーが豊富な「トマト界の優等生」です。
▽フィオレンティーノ
・まるでカボチャ、見た目が可愛いビッグトマト
初めて見たとき「えっ?本当にトマトの仲間なの?」と目を疑いたくなるのがフォオレンティーノ。
イタリアのトスカーナ地方ではおばあちゃんの代から作られている、趣き深い品種です。
ごつごつと突起のような房が付いていて、見た目は日本のカボチャにそっくり。
2分の1にカットすると、まるで野花のようなキレイなシルエットが浮き出します。
きちんと栽培をおこなうと、1玉200gを超える大モノが見られるフォオレンティーノ。
ほのかな酸っぱさと青い香りがあるため、フレッシュさを活かした調理法がおすすめ。
ピザソースとして冷静パスタの具として、豊かに味わえます。
▽レッドチェリー
・高級スイーツみたい、あま~いプチトマト
生育しても大きくなり過ぎない、小粒サイズのミニトマト。
さくらんぼのような実が、枝のあちこちに付きます。
見た目は小さいのに、噛むとじゅわっとジューシーな果肉が溢れるおいしいトマト。
糖分がとても高いため、フルーツのような完熟の甘さを感じられます。
冷やしてそのままカブりつくのはもちろん、ラタトゥイユなどの煮込みや炒め物にもぴったり。
砂糖なしでもドルチェのような甘さを感じられる、伸びしろの豊富な野菜です。
☆ピザソースに使われている、美味しいトマトの話をご紹介しました。
薪窯ナポリピザ・フォンターナのピッツァには、最高級のイタリア製のトマトが使われています。
まるでジュースのような極旨な甘さと旨味を、ぜひ味わってみてくださいね。