2017.06.06
ピザの道具ピザピールって何?プロのピザ職人がピザ焼き道具について解説します
イタリアではピザ職人のことを「ピッツァイオーロ」と呼びます。ピッツァイオーロのする仕事は、ピザ生地の作成から伸ばし、焼き、提供までの全て。
細かくいうと粉の選定から配合、発酵、具材の選定なども含めて行います。パフォーマンス的には「伸ばし」の作業が目にとまることが多いと思いますが、一番集中している作業は「焼き」の時です。
この焼きの時に使用する道具「ピザピール」は、ピッツァイオーロにとっては相棒のような存在。今回はプロのピザ職人がピザ焼き道具について詳しく解説していきます。
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ピザピールってどんな道具なの?
ピザピールはピザを窯にいれる時に使う道具です。木でできている長い柄の先端に、金属製の大きいヘラのようなものがついていて、そこへピザ生地をのせて窯へ投入します。
ピザピールにピザ生地を乗せる、窯へピザをおろす、ピザを回転させるなど、ピッツァイオーロは簡単にこなしていますが、実は至難の業。
やわらかいピザを形そのまま乗せることがまず大変ですし、時間がたてばピザソースや具材の水分で生地がベチャベチャに、そうしているうちにピザの形は崩れソースや具材が窯にこぼれると窯が真っ黒になります。
余計な焦げがあると次に焼くピザにも影響がでますし、窯も痛めてしまうので、ピザを焼く作業は細心の注意が必要なのです。
ピザピールには特に特別なシステムは付いていません。木の柄に金属の板、これだけでピザをくるくると踊らせるように焼いていきます。
ピザ職人なんだからピザが上手に焼けてあたりまえ!と思う方もいるかもしれませんが、長きに渡って習得したこのピザピールを動かす技術も褒めて欲しい部分です。
ピザ職人が丁寧に教えます!初めての人でも分かる、ピザ生地をこねるときのコツまとめ
ピザピールとピザパドルの違い
ピザピールと同じく、ピザパドルというものも世の中には存在します。お店によってはピザターナーやピザスコップと呼ぶところもあるようです。
どれも「ピザを窯にいれるための道具」としては違いはありませんが、一般的にピザピールは柄が長く先端が金属製であること、一方でピザパドルで全てが木製でできていて、柄も比較的短くつくられていることが多いです。
木製のピザパドルはやはり、永く使うという意味ではピザパドル自体が焦げたり、擦れやすいのであまりおすすめしません。しかし、木製なので見た目の温かみがあり、可愛さでいうとピザパドルのほうが勝るのではないかと思います。
近年ではピザパドルにのせたままピザを提供するなど、食器として使われることもあります。メープルなどの硬い素材でできているピザパドルであれば、ピザカッターを使っても傷が付きづらく、なおかつオシャレなテーブルを演出できるのが魅力ですね。
ピザピールの使い方を上達させるためには
ピザピールを自分の手のように使いこなすためには、何度も練習することが必然的です。有名なピッツァイオーロも最初からピザピールを使いこなせたという、天才的な人は存在しません。
たとえば、窯の中で上手にピザを回せないという人は、窯にいれる前の作業台のうえで練習をするのもいいと思います。ピザピールのどの部分を使えばピザがまわるのか、どのくらいピザピールを差し込めばいいのか、角度はどのぐらいがいいのかなど、自分なりに研究をしてみてください。
もし、近場で先生となる人がいるのであれば、その人の焼いているところを観察してみるのもおすすめです。百聞は一見にしかずという言葉がある通り、実際に目でみて確かめるほうが、イメージがつきやすいと思います。
ピッツァイオーロになるためには、特別な資格や学歴はいりません。その多くがピザ専門店やイタリア料理店に勤務してながら技を習得しているのがほとんどです。
おいしいピザを作ることは難しいのですが、難しいからこそつくり手は楽しいと思う場面がいくつかあります。なかなかピザつくりをはじめてみると奥が深いので、機会があればぜひ試してみてくださいね!
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