2024.10.27
ピザ生地の発酵について詳しく解説します!これを見るだけであとはなし!
ピザ作りの真髄は、実は生地にあります。本場イタリアでは「ピザは生地を食べるもの」と言われるほど、生地へのこだわりが強く、その美味しさの決め手となるのが「発酵」という工程です。
伝統的なナポリピッツァの職人たちは、長年の経験と科学的な知識を組み合わせ、完璧な発酵管理を実現してきました。発酵によって生まれる複雑な風味と、サクッとしながらもしっとりとした食感は、まさに職人技の結晶といえます。
近年では、家庭でも本格的なピザ作りに挑戦する人が増えています。特にコロナ禍以降、自宅で本格的な料理を作る機会が増え、ピザ作りの人気も急上昇。しかし、多くの方が「生地がうまく発酵しない」「きれいに膨らまない」といった悩みを抱えています。
実は、プロの味に近づくためには、発酵のメカニズムを理解し、適切な温度管理と時間管理を行うことが重要です。発酵は単なる待ち時間ではなく、生地の味と食感を決定づける重要な化学反応なのです。
この記事では、ピザ生地の発酵について、基礎知識から実践的なテクニックまで、プロの視点を交えながら詳しく解説していきます。家庭でも実践できる具体的な方法と、失敗しないためのポイントを紹介しますので、あなたも是非、本格的なピザ作りに挑戦してみてください。
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そもそもピザ生地の発酵とは
普段からピザ作りをしている方でも、いざ「発酵とは?」と聞かれると悩んでしまうのではないでしょうか。実は発酵の歴史は古く、紀元前4000年頃(日本は縄文時代)には古代エジプトで発酵されたパンが食べられていたといわれています。
発酵とは、人体に有益な作用を持つイーストなどの微生物が生地の中で増殖することです。微生物の呼吸によって炭酸ガスが発生することで、生地の中に細かい無数の気泡ができて、生地が膨らんでいきます。これがピザを焼き上げた時にやわらかい生地に仕上がる秘密です。
過発酵が進むと逆に生地がしぼんでしまうのは、生地の中でできた無数の気泡が炭酸ガスが過剰に発生して破れることで発生します。過発酵してしまった生地は酸味がでておいしくないですよね。
ピザ生地をさらにおいしくする発酵の秘訣!
自宅で作るピザを専門店の味に近づけるのに、生地の発酵はとても重要です。こだわれるポイントは2つ、酵母の種類と発酵の仕方。
ポイント1 酵母の種類
ピザ生地の材料は極めてシンプルで、小麦粉・塩・水・酵母のみです。そのためそれぞれの素材の質がピザ生地の良し悪しに大きく影響します。酵母ももちろん味に大きく影響します。
発酵に普通のドライイーストを使うこともできますが、生地にどうしてもインスタントイースト独特の香りがついてしまって、ピザの香りを邪魔してしまいますよね。かといって個人では生イーストなんて保存が大変でまず使い切れない。
そこで趣味のピザ作りにおすすめなのが天然酵母。本場イタリアでも天然のビール酵母がよく使用されています。
日本で市販されている天然酵母にはドライイーストタイプもあるので、種おこしは必要ですが、ほとんどドライイーストと同じような使いやすさです。果物や穀物に付着している酵母から作られる天然酵母は、ドライイーストにはない風味を生み出してくれます。
ポイント2 発酵の仕方
日本でピザを作るときには2次発酵させない方が多いですが、本場イタリアの家庭では、必ずオーブンで焼き上げる前に10分から15分程度2次発酵させます。そうすることで、より生地をふんわりした触感に仕上げることができます。
また時間に余裕のある方は、一次発酵の後、生地を冷蔵庫で24時間~48時間かけて2次発酵するのもおすすめです。ピザ専門店も使っているオーバーナイト法と呼ばれるもので、低温でゆっくりと長時間熟成させることで、より一層風味豊かな生地に仕上げることができます。
冷蔵庫で2次発酵させる場合は、どのタイミングがベストなのか見極めが難しいですが、表面に水分が出て、テカテカとしてきたらOKです。いざ生地を冷蔵庫に入れれば、あとは時々様子を確認するだけなので、何日か前から用意しておけば、ピザ作り当日は延ばして焼き上げるだけです。
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ピザの発酵時間による味と食感の違い
ピザの発酵は時間によって出来上がりが異なります。
この章では、時間別の発酵に関して解説していきます。
短時間発酵(4-6時間)の特徴
短時間発酵の特徴は、生地の風味が比較的シンプルで、やや弾力のある食感、軽い食べ心地が特徴です。
この発酵方法が向いている用途としては、当日に食べたい場合や、トッピングの味を主役にしたい場合、クリスピースタイルのピザを作る場合などが挙げられます。
中時間発酵(12-24時間)の特徴
中時間発酵では、生地に深みのある味わいが生まれ始めます。風味の特徴として、小麦本来の甘みが増し、乳酸菌による複雑な香りが生まれ、バランスの取れた酸味が形成されます。
食感の特徴としては、もっちりとした食感が生まれ、程よい弾力が出てきます。また、生地の保水性が向上するのも特徴です。
長時間発酵(24-72時間)の特徴
長時間発酵は、本場ナポリピッツァに近い、深い味わいが特徴です。風味の変化としては、深いうま味が形成され、複雑な香りが発達し、小麦の風味が最大限に引き出されます。
生地の特徴としては、しっとりとした食感が生まれ、生地が伸びやすくなります。また、焼成後の香ばしさが増すのも特徴です。
ピザ生地の発酵にこだわって、本場の味を再現!
あまり発酵について詳しく勉強する機会なんて、パン屋さんじゃない限りないかもしれません。
でも上手に発酵させる技術は、ピザの味に大きく影響します。
酵母をできれば天然酵母を使用すること、そして本場イタリアの家庭にならって2次発酵、できれば数日かけて低温熟成させる発酵方法をご紹介しました。ポイントをおさえて、自宅で作るピザを本場の味に近づけましょう。