2017.08.02

ピザ海外事情

アメリカのピザについて、歴史と今の流行をお伝えします。

シカゴピザ

とろけるチーズとベーコンがたっぷり載ったアメリカンピザ。
お腹とココロが満足するビッグサイズのピザを、一度は召し上がった方も多いのではないでしょうか。
世界中で愛されている宅配ピザのパイオニア・アメリカンピザの今昔物語をお伝えします。

ときは19世紀、イタリア系移民が広めたアメリカンピザ

アメリカのピザの歴史をひも解くと、時代は19世紀終わり。
自由とマネーを求めたイタリア系移民によって、遥かな大地アメリカにピザが伝えられたといわれています。
当時移民が多く住んでいたニューヨークやシカゴでは、道ばたでお手頃価格のピザが販売されていました。

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アメリカンピザの大きな運命を握るのが、ニューヨークのマンハッタン地区にある「リトルイタリー」と呼ばれるエリア。
日本でたとえるなら中華街のような賑わいの、ユニークな街です。
イタリア国旗が街のあちこちを飾り、看板もすべてイタリア語。
ニューヨークにいながらイタリアの小都市にタイムスリップしたかのような甘い錯覚をおぼえます。
このリトルイタリーで最初に生まれたのが、アメリカ初のピザレストランです。

「ロンバルディーズ」と名付けられたこのお店は、時が経った現在もお客さんが絶えない予約必須のお店です。
少しでも多くの人に食べて欲しいと、当時ビッグサイズのピザは1枚5セントで販売。
満足にお金を持っていない貧困層も楽しめるように、ディスカウントされ格安プライスで販売されることもあったようです。
食があまり豊かではなかった時代に、胃袋を満たしてくれる大きなピザは、異国の地に住んでいたイタリア系移民のハートを優しく包んでくれました。

1960年代、小さな学生街で生まれた「アメリカ初の宅配ピザ」

アメリカ全土にピザが広まるようになったのは、第二次世界大戦が過ぎてから…といわれています。
イタリアに駐留していたアメリカ軍兵士たちがピザを食べ、その美味しさを母国に持ち帰ったのが、アメリカンピザの爆発的なヒットに繋がりました。

1960年代になるとミシガン州の南東部にある街・イプシランティに、小さなピザハウスがオープンしました。
名門ミシガン大学の学生さんが多く住むこの街で始めたのが、ピザの宅配サービス。
注文を受けてから30分以内に自宅までお届けする…という宅配ピザのルールはこの頃作られました。
美味しいものに目がない大学生を中心に、アメリカンスタイルのピザは大ヒット。
アメリカ全土で宅配ピザが楽しまれるようになりました。

シンプルが嬉しい、ニューヨークスタイルのピザ

現在ではニューヨークの街を歩くと、テイクアウトできるカジュアルなピザのお店を、あちらこちらに見かけます。
どのお店もアットホーム、家庭的な雰囲気です。
眠らない街として知られるNYでは、夜明けまで営業を続けるお店も多いのだそうです。

ニューヨークスタイルのピザの特徴として「ビッグサイズ」「クリスピー系の生地」「トマトソース味」「トッピングはモッツアレラチーズのみ」が挙げられます。
バジルやオリーブなど具材がたっぷり載ったイタリア風ピザと比べて、ザ・シンプルなのがニューヨークスタイルのピザ。
トッピングがほぼゼロのため、小柄な女性でも1枚ペロリといただけます。
仕事をしながら食べるニューヨーカーも多いため、手を汚さないよう半分に折っていただくスタイルが主流だそうです。

トレンドはシカゴ風ピッツァ

ニューヨークスタイルのピザと半比例するようにブームを見せているのが「シカゴ風ピッツァ」。
ピザ生地の厚さは、平均10センチ程度。
ハンバーグやハムなどのトッピング具材を、生地の内側につめ込むキッシュ風ピザです。
お誕生日ケーキのように切り分けていただきます。
具がこぼれないようやや固めに焼いた生地は、サクサクとしたミルフィーユのような味わい。
誕生日やクリスマスなどのイベント時にカップルや家族でご指名したい、ユニークなピザです。

アメリカンピザの歴史とトレンドにまつわるストーリー、いかがでしたか。
ボリューミーなアメリカ系ピザに負けないのが、フォンターナのナポリ風ピザです。
アメリカンピザのルーツとなった本格派イタリアンピザを、ぜひあなたもお試しください!

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